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以下の記事白樺文学館開館準備期の2000年11月19日に書かれたものです。
   

バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司の作品

 タケセン宅でリーチ、河井寛次郎濱田庄司の作品を見せてもらいました。 前回触れたように柳とリーチに出会い、陶芸家としての考え方を一変させられたのが 河井寛次郎と濱田庄司です。両者とも日本の陶芸の歴史の中では巨人ともいえる人たちです。

前列二作品は河井寛次郎の作品
後列左からリーチ、濱田、リーチの作品
河井寛次郎 硯
河井寛次郎 3段重ねの小箱
濱田庄司 花瓶
 

 実は私も河井寛次郎と濱田庄司の作品を目の当たりにしたのは初めてで、見た瞬間、 体が固まってしまいました。 その生命感というのでしょうか、その存在感と力強さに圧倒されてしばし沈黙してしまうのでした。

  一過性(いっかせい)の表層的なものを消費し尽くすことになれてしまった私たちには、かなり ショッキングなものです。とても貧相な現代の住宅とはそぐいません。家の方が張りぼてのように見えてしまうでしょう。 やはり何百年も耐えられるような大黒柱のある民家がいかにも似合います。もっとはっきり言えば、そうした生きた環境でなければ、バランスが取れないのです。 そんな風に感じてしまうのは、裏返せば私たちの生が希薄(きはく)なものになっていることの 証かもしれません。ちょっと考えさせられてしまいますね。

 もう一つショックだったことがあります。 それは、日本人の造形観を改める必要があるとも感じたのです。現代の日本人の デザインを見る限り、繊細で微細。一方で構想力や生命感に欠けると一般的に いわれます。 私自身もデザインの世界にいてそれを強く感じていたのですが、河井寛次郎と濱田庄司の作品を見ていると、そうした感覚は吹っ飛んでしまいますね。 正直言ってかなりびっくりした次第です。 これはぜひとも来館してもらわねば。


バーナード・リーチ 壺
何と上品で繊細なのでしょう。
でもひ弱な感じはないです。

バーナード・リーチ 花瓶
上の作品と比べると力強さがみなぎってます。
雑草を生けるととても似合いそう、と思ったの
か タケセンの家でそれを実行してます。
文学館でもさりげなく、それをやるかもしれ
ませんよ。
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2000年11月19日 古林 治
 
       
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