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49. 躾(しつけ)と称して子供の心を抑圧していませんか?

 今は卒業式の季節真っ只中、もうすぐ桜も咲いて入学式、入園式、入社式の季節となります。
 とてもよい機会なので、タケセンから親御さんへのメッセージをお伝えします。

 じっくり改めて教育について考えてみませんか。私も含め、ギクッとする方も多いのではないかと思います。

 

(しつけ)と称して子供の心を抑圧していませんか? 

武田康弘

 お母様、お父様、 教育とか躾(しつけ)と思って(妄想してー失礼!) 子どもの心を抑圧し、歪めてはいませんか?

 発育、発達には順番があります。子どもは、十分にふざけ、おどけ、ばかを言い、けんかをし、悪さをしなければ、まともな大人にはけっしてなりません。

 早く大人にしようとすれば、小利口のつまらない人間か、外見だけを整えた偽善者か、心の深部に不満を抱えた犯罪予備者にしかならないのです。

 高校生になり、二十歳になって「狂って」いる青少年は、幼少期―小学生までの時期に、十分にばかを言い、やれなかった(保護者―親によって抑圧された)子どもたちの姿です。

 自然な<順番>をわきまえない大人の迷いや身勝手が、子どもを狂わせるのです。生まれつき悪い子どもなどいません。いるのは、いやらしいエゴや偽善や権威主義や集団同調の外面(そとづら)人間としての大人だけです。子どもの問題?などはないのです。あるのは、大人である私やあなたの問題だけです。

 楽な、時間と労力を省いた手抜きの教育や、見栄を張り上辺(うわべ)だけを整えるゴマカシの教育が、ダメな人間を輩出するのです。
点数にしか興味をもてない実力のないオタクや、流行と情報に踊らされる軽薄者や、暴力を肯定するおぞましい犯罪者は、型にはめられた良い子―大人にとって都合のいいこを作ろうとした結果生み出されたものです。

 順を踏むこと、「飛ばし」の英才教育(見世物としての子どもをつくる上げ底教育)をしないこと、これは教育の原理です。子どもは自分でいろいろと試してみる精神的余裕が持てないと、主体性のある人間にはけっしてなりません。子どもを「病気」か「ロボット」にするために必死で努力する!? もうそろそろこんな「狂って」いて「損」で「愚か」で「非現実的」な行為は、やめにしたいものです。

 子供の心が真に解放されないと、本当の知識や知恵の教育も始まらないのです。○△式や進学塾のシステムに乗せてマニュアルに従わせ、現実への応用の利かない頭脳をつくっても本人が不幸なだけですし、今の世の中には通用しません。子どもには、日々の経験に根差した意味をつかめる<ほんとうの勉強>をしてもらいたいものだと思います。

(2004.3.5)

2004年3月14日 古林 治
 
 
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