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  • 134. 講演会『柳宗悦の思想 - その面白さ -』 講師:武田康弘

     7月18日に講演会『柳宗悦(やなぎむねよし)の思想 - その面白さ - 講師:武田康弘』が開催されました。
    主催者は、主に柳宗悦を研究する高校教師の方たちで、「柳の考えをひろく知ってもらいたい」とのことから、館長:武田康弘に講演依頼があり、実現の運びとなりました。

      主催:
    • 柳宗悦・兼子の碑をつくる会(略称「柳の会」)
    • 我孫子カルチャー&トーク
    • 千葉県日本韓国・朝鮮関係史研究会

    今日はその報告です。

     タイトルからしてかなりへヴィーでどうなることかと思いましたが、内容の濃密さと 面白さが互いに増幅しあい、大変充実した講演となりました。
    タケセンは、「」とはまったく異なる「平凡」(自然・ふつう・健康)こそが最高の価値であるという柳の思想の芯を、彼の著作を引いて明晰に解き明かしました。
    さらに、主催者に気付かれないように参加した 松橋桂子さん『柳兼子伝 - 楷書の絶唱 -』の著者)は(笑)、突然のタケセンの呼び掛けにアウンの呼吸で応え、講演会の爆発に寄与しました。  参加者もたっぷり楽しみましたが、一番喜んでいたのは、主催者の方々だったと 思います。
    "おかげさまで、勇気をもらいました!"(主催者のコメント)

     

      というわけで、以下は講演会の様子・写真です。クリックすると大きな画像(pdfファイル)も開けます。
    講演会終了後は懇親会、それにそのあとも二次会で盛り上がったことは言うまでもありません。

    画像クリックで大きな画像(pdf)が見れます。

    講演会の様子

     

     さて、内容についてここで語るのは無理がありますが、一つだけ触れておきます。
    (講演内容に興味のある方は、録画したDVDが教育館の方にありますので、ご連絡を。)

     今回の講演会では、哲学者の名前や哲学用語がそこそこ出てきました。これはタイトルからしてやむを得ないことです。それに、柳がカントの道徳律の影響を受けている、というような事実誤認が一部で流布しているようなので、その誤解を解くためにも致し方ないことでした。
    柳宗悦と同様、タケセンも、社会の問題や人生の問題について考え、語る時、哲学者の名前や哲学用語を使うことは滅多にありません。なぜなら、自分の実体験を踏まえ、自分で感じ、考えたことを、言葉に紡ぎだし、相手に伝わるような形で話すことが大事だからです。そこでは哲学はすでに血肉化されているということなのです。逆に言えば、哲学者の名前や専門用語をやたらに使う人は、そのことによって自らの無知を糊塗していると言ってよいかもしれません。
    この点についてタケセンがブログに書いた文章がありますので、以下に掲載します。

    手と足をつかうこと、全身で知ることが哲学です 2011-07-20 | 恋知(哲学)

    情報知、本読み、を否定する訳ではありませんが、 それらが生きて意味をもつためには、 手を使い、足を使うこと、全身で生き、働く実践が何より大事。 五感をふるに使って、心身全体による会得を目がけるのが、ほんとうの知です。

    教育が進むと、言葉で済ます、言葉に逃げる、言語で誤魔化す、という人が増えますが、 それでは、ほんとうのことは何も分からず、何もつかめないはず。これは、原理です。 足が地についた、有用な知はなく、 深い納得、現実の人間の生を支える知は得られず、 ただ、言語ゲーム・論理ゲームの中で、オタク化するだけですが、 まだそのことを深く知る人がいません。

    全身で知る、全身で生きる、のびのび豊かに、が何より必要。 心と頭と体のすべてを使った認識でなければ、よきものは何も生みません。 受験知を崇拝する東大教は、東大病患者を生み、「健康・自然・ふつう」という人間の最高の価値を奪います。哲学とは、全身で感じ知り、心に想うところから考える営みですから、東大病ではできません。だから、現代の大学には哲学がないのです。

    武田康弘



    2011年7月30日
    古林 治

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